Production running at full capacity and 25 percent growth in sales
家電製品や日用品から、産業用の装置・部品・材料まで―。あらゆる業界の生産現場で、変種変量生産が行われるようになりました。変種変量生産とは、移ろいやすい市場のニーズに合せて、求められる商品を、タイムリーかつ必要な量だけ工業製品を作る生産形態のことです。市場の変化に対応しにくい少品種大量生産の欠点を解消し、より付加価値が高く、無駄を最小化した生産性の高いビジネスを展開することを狙ったものです。
そして、変種変量生産の実践に向けて、フレキシブルかつ効率的に製品を作り分けるスマートな生産ラインを構築する動きが活発化しています。こうした動きは、いわゆる「インダストリー 4.0」の潮流に沿ったものです。そして、同様の動きは、生産した商品を包装、梱包、箱詰めするパッケージング・プロセス(包装工程)にも波及しています。
人手に頼りがちな包装工程は人的ミス発生の温床
製造業の生産現場は、少子高齢化の進展による慢性的な人手不足に悩んでいます。ただでさえ生産ラインで働く人が確保しにくい状況になっているところに、手間が掛かり、熟練した臨機応変の判断が求められる変種変量生産への対応が求められているわけです。単純な業務改善程度では、対応できません。
特に、包装工程での人手不足の影響は深刻です。生産ラインの中では、出荷直前に行うことになる最終工程であるため、ここでのミスは許されないからです。仮に梱包作業でミスが発生すれば、梱包内部を確認することはできないため、そのまま出荷されてしまい、顧客からのクレームにつながる可能性があります。そもそも、梱包は、作業者にとっては同じことを繰り返す単純作業であり、なおかつ作業環境が必ずしも整備されていない現場が多いことから、作業者の集中力を維持することが難しい業務だと言えます(図1)。人的ミスの温床なのです。
包装工程での作業を人手で行えば、どうしても梱包する商品の抜け漏れや数量、向き、位置などの間違い、梱包時の傷や汚れの付着や異物の混入などの人的ミスが発生するものです。特に、さまざまな商品を需要に応じて作り分ける変種変量生産では、梱包作業が複雑化するため作業者の混乱を招きやすく、ミスが高頻度で発生しやすくなります。
こうした包装工程での課題を抜本的に解決するためには、ロボットなどを利用した包装工程の自動化が必要になってきます。自動化が実現すれば、人的ミスの発生を防ぐことができるだけではなく、生産性の向上も期待できます。
センサやロボットの技術の進歩によって、包装工程の自動化が加速
ただし、一般に変種変量生産に対応したラインの自動化は難易度が高く、特に包装工程においてその傾向が顕著だと言えます。包装対象となる商品の形状や質に応じた柔軟な対応と、製品を傷つけない繊細な作業が求められるからです。特に生鮮食品のように形状や質の個体差が大きな商品では、その難易度が一層高まります。
人手で包装工程の作業をすれば、変種変量生産であっても、包装対象の状態を目視確認しながら、状態に応じて臨機応変に作業できます。しかし、ロボットなどを利用して単純に包装を自動化する場合には、決められた動作条件の下でしか動けないため、柔軟な対応ができないのです。包装対象となる商品の状態を高精度で把握できるセンサを導入し、収集したデータをロボットなどの制御装置に送って、状態に応じて柔軟に包装作業の動作条件を設定・調整する必要があります。
近年、さまざまな商品の包装を自動化する際に利用可能な、商品やパッケージの状態を高精度で検出・識別・検査できるビジョンセンサや、多様な形状・表面状態・材質の商品を正確に検出できるセンサ、さらには複数種類の商品を包装し分けることが可能な汎用性の高いロボットなどが利用できるようになってきました(図2)。
特に、ロボット技術の進歩は著しく、人間と同様の可動域が広いアームや双腕型アームを使って、深さのあるダンボールへの箱詰めや複雑な包装作業に対応できるものも出てきています。そして、商品のピッキング、箱詰め、容器の供給、搬送、包装、梱包など、包装工程での一連の作業を自動化するために利用する現場が増えてきています。もちろん、中には梱包作業をすべて自動化することがどうしても困難な場合もありますが、そうしたケースにも対応できる、作業者とロボットが協力・連携しながら作業できる協働ロボットの利用例も出てきました。
自動化は、高精度・高信頼・高速なセンサソリューション導入が大前提
こうしたフレキシブルで効率的な梱包工程の自動化を実現するためには、高精度で高信頼、高速なセンサソリューションの導入が必要不可欠になります。いかに高度なロボットを採用したとしても、その動作を決める際に利用する包装対象の状態取得が不正確なのでは、想定したような効果は得られないからです。
ただし、センサで検出、検査、識別すべき対象は多様であり、導入先となる生産や包装の現場も千差万別。効率的で安定稼働する自動化ラインを構築するために必要なセンサソリューションを開発することは、それほど簡単ではありません。開発には、センサに関する高度な技術と深い知見を持ち、検出対象と現場の特徴を見定めながら、目的に合ったソリューションを共に開発する豊富な経験と実績を持つパートナーが必須になります。
個々のアプリケーションと現場に即したソリューションの開発・提供で高く評価されている産業オートメーション向けセンサメーカーが、ドイツのロイツェ(Leuze)です。60年にわたる産業オートメーション向けセンサの開発と供給をリードし続けてきた実績を基に、常にお客様の側に寄り添いながら、時代の要請に応えるセンサソリューションを開発・提供しています。同社は、2023年10月3日(火)-6日(金)に東京ビッグサイトにて開催される「Japan Pack 2023(日本包装産業展)」に出展します。ロイツェのブース(ブース番号:4-219)では、食品、飲料、医薬品の一次包装、二次包装からラベリング、最終包装、パレット積みまで、包装工程のすべてのステップをサポートするフレキシブルで効率的なセンサソリューションを披露する予定です。ロイツェのブースに立ち寄り、自社が目指す包装工程の自動化について議論してみてはいかがでしょうか。